補聴器は高~い!
中度以上の難聴者にとっては聴き取りやすくて助かる「デジタル補聴器」の場合、高出力タイプだと1台20万円前後(注:もちろん、片耳だけのお値段!)もします。
両耳に装用したほうが自然なステレオ効果が得られ、聴こえ心地も全く違うため、できるだけ両耳装用のほうが望ましいんですけど、そうすると合わせて40万円!
手取り月給1か月分以上がふっ飛んでゆきますなー。生活できなくなっちゃう‥‥。
こんな事情をある程度見通したのかどうなんだか、ここんとこ、通信販売で、安価な補聴器や集音器を扱ってる所が目立ってきました。
これ、はっきり言って、とんでもない商品が多いです。
音声の増大効果があんまり見られない製品はまだ良いとして、とんでもなくバカでかい音が急に出る‥‥なんていう商品すらあります。
要は、通販商品そのものが難聴者のことを考えたものではない、っていうこと。う~ん‥‥。
こういう商品への苦情は多いようで、ここで独立行政法人国民生活センターが、とうとう「通信販売の補聴器等の安全性や補聴効果」に関する実態調査を行ない、その結果を9月6日に公表しました。
[PDF]通信販売の補聴器等の安全性や補聴効果(報告書)
上記の報告書の中で列挙されてる商品、実際に使ったり、見たりしたものばっかり。
調査結果を見て、思わず「そのとおりっ!」って、うなずいてしまいました。
こういう実態は、もっともっと知られたほうがいいでしょうねぇ。
安価で補聴器や集音器が入手できる、ってなると、難聴や補聴器に関する正しい知識に乏しい人は飛びついちゃう‥‥。
しかも、通信販売で入手できるんでお手軽、ってことで、めんどくさがり屋には、ただでさえ誘惑が(笑)。
ここが「悪魔のささやき」って言いますか、あとから「こんなはずでは!」ってなっちゃう原因なんですけどもね。
補聴器はきめ細かな調整(フィッティング)が不可欠で、そもそも通信販売で買うような商品じゃありません。
1回でぴたっと自分の難聴にマッチした聴こえが得られる、なんてことは、まずありえませんもん。
何度も何度も補聴器屋さんにかよって、根気強く調整してもらわなくっちゃならない‥‥。
もちろん、イヤな顔ひとつしないで対応してくれる補聴器屋さんに出会うことも、すご~く大事になってきます。たとえば、私がとってもお世話になってる、株式会社ワールドパイオニアの「にっこり補聴器屋さん」(東京・中野)のように。
さらに、耳かけ型補聴器の場合、「ピー、ピー」とやかましい音が漏れてしまうハウリングの対策のためにイヤモールド(特殊な耳栓で、ひとりひとりの耳穴の形に合わせて作ってもらう)が不可欠になってくるし、そういったことにも対応してないとまずいんですよ‥‥。
そのほか、補聴器の購入には公費助成がある、ってことも知っておいたほうがいいでしょうねぇ。
身体障害者手帳の交付(身体障害者福祉法)を受けることが前提になってきますけど、障害者自立支援法に基づいた「補装具費の給付」ってことで、補聴器を「補装具」として購入できます。
自分の希望するお店で、自分に合った補聴器(但し、補装具費の給付基準に合致した商品)を買えるし、その購入費用の何割かについて公費助成(これが「補装具費」)が。しかも、修理代もOK。
なので、これを利用しない手はありませ~んっ(笑)。
いずれにしても、障害を持った人がよりスムーズに暮らしてゆくためには、しっかりとした正しい知識を持ってないととんでもないことになる、ってことが言えると思います。
もちろん、たとえば補装具費のことなんかは、公的機関などが積極的にPRしてゆくことも求められますけどもね。
でも、それ以上に、障害者自身が、自分のほうから情報を求めて動いてゆかないとダメですねぇ。
正確な情報をいかに数多くゲットするか‥‥。ここが大事だと思います。
報告書はPDFファイルで用意させてもらいました。
じっくり見ていただいて、その実態を把握してもらえるとありがたいです。
【ダウンロードの手順(Windowsの場合)】
Internet Explorer 6 を使っている場合は、次のとおりです。
なお、「名前をつけて保存」するときのファイル名は、自動的に付きます。
1.リンク([PDF])の上をマウスで右クリック(マウスの右ボタンを使う)
2.コンテキストメニュー(右クリックしたときのメニュー)が現われる
3.「対象をファイルに保存」を選択
4.「ファイルのダウンロード」で「名前をつけて保存」を行なう
閲覧には Adobe Reader(Adobe Acrobat Reader) が必要です。
バージョン5以上の Adobe Reader に対応しています。
【関連記事(当サイト)】
補聴器・集音器に関するアンケートを実施─国民生活センター
http://maroon.way-nifty.com/welfare/2007/04/post_d18b.html
やっと「補装具費」の支給申請‥‥
http://maroon.way-nifty.com/welfare/2007/03/post_41d3.html
補装具~補聴器の修理
http://maroon.way-nifty.com/welfare/2006/06/post_b1b4.html
オージオグラム~難聴の認定
http://maroon.way-nifty.com/welfare/2005/02/post_111b.html
【関連サイト】
にっこり補聴器屋さん ブログ
http://ameblo.jp/wp-nikkori-hochoki/
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通販購入の補聴器「性能に問題多い」─ 国民生活センター
インターネットや通信販売で手軽に購入できる補聴器や集音器などの機器について、安全性や性能に問題があるものが多いことが9月6日、国民生活センターの調べでわかった。
補聴器は薬事法に基づく「管理医療機器」にあたり、製造や販売について一定の基準が設けられている。
集音器は、補聴器と同様、耳に装着して使うものだが、同法の基準外だ。
同センターでは、通信販売などで売られている補聴器5銘柄と集音器5銘柄の計10社10銘柄について、安全性や性能について商品テストを実施した。
対象の10銘柄のボリュームを最大にし、90デシベルの音を入力したところ、補聴器2銘柄と集音器5銘柄で出力の最高値が120デシベルを超えた。
日本補聴器工業会では使用者の聴力を保護するため、自主安全基準で出力の最高値を120デシベル以下と定めている。また、補聴器は人の声を聞き取りやすいよう、一般的には周波数が1000ヘルツ以下の低音よりも、2000~3000ヘルツの高音を増幅する仕組み。
しかし、補聴器2銘柄と集音器5銘柄の計7銘柄で、高音よりも低音の増幅が大きくなるようになっていて、聞き取りに適さないものもあった。
薬事法では、補聴器に製造販売業者名の記載を義務づけているが、1銘柄で記載がなかった。
国民生活センターによると、ネットや通販で購入した補聴器などの苦情相談はこの5年間で212件。
通信販売の商品は、特定商取引法に基づくクーリングオフの対象になっていない。
同センターは、購入者に「医師の診察を受けた上で、専門家に調整してもらった商品を選んで」と注意を呼びかけている。
(2007年9月6日 読売新聞)
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通信販売の補聴器等の安全性や補聴効果 ─ 販売サービスに関する調査も含めて ─
【目的】
補聴器を装用して十分な効果を得るためには、個人の難聴の程度等に合わせた適切なフィッティングが重要とされる。
しかし、現状では、補聴器のフィッティングに関する専門的な資格はなく、業界の自主的な認定制度等に委ねられている。
一方、インターネット等の通信販売でも、補聴器や、医療機器ではない「集音器等」が数多く販売されている。
そこで、通信販売の補聴器及び集音器等について、安全性や補聴効果に関するテスト、モニターによる装用テスト等を行ない、個人に合わせたフィッティングなしに販売される補聴器等の問題点を調べた。
また、補聴器販売店を対象にアンケート調査を行ない、補聴器販売サービスの実態と問題点を消費者に情報提供することとした。
【概要】
* PIO-NETに寄せられる補聴器等についての相談は年々増加傾向にあり、店舗以外での購入による相談も全体の35%程度を占めていた。
* 出力される最大音が大きく、安全性に問題があると思われる銘柄があった。
* 会話音を増幅する能力が小さく、十分な補聴効果が得られない可能性がある銘柄があった。
* 会話音の聞き取りに適さない周波数特性を持つ銘柄が、10銘柄中7銘柄あった。
* 8銘柄は、モニターが使用しているフィッティングを受けて購入した補聴器に比べて、十分な補聴効果が得られなかった。
* 薬事法に基づく表示に不備がある銘柄が1銘柄あり、問題であった。
* 補聴器販売店に対するアンケート結果から、回答を得た販売店の約4割が業界の認定店や加盟店ではなく、資格のない販売員が補聴器販売業務に従事していることが分かった。
* 聴力検査や補聴器の調整に用いられる設備・機器の有無は販売店の種類によって差があるにもかかわらず、サービス内容についての回答はほぼ同じであり、矛盾していた。
【消費者へのアドバイス】
* フィッティングを受けて補聴器を購入するようにしましょう。
* 補聴器を購入する際は、業界の認定制度の下で一定の基準を満たした販売店で、購入するようにしましょう。
* 難聴者は、集音器等を使用しないようにしましょう。
【業界への要望】
* フィッティングをした上で補聴器が販売されるよう、販売システムの見直しを要望する。
* 補聴器販売サービスの内容及び水準の向上を要望する。
* 補聴器について、安全性や補聴効果等についての一定の基準を設けるよう要望する。
* 薬事法に基づく表示の改善を要望する。
* 集音器等についても安全性に関する基準を設け、また、難聴者が使用することのないよう表示の改善を要望する。
【行政への要望】
* 補聴器は、使用者の難聴の状態に合わせて使用する必要のある管理医療機器である。良好なフィッティングサービスが受けられるよう、一定水準以上の技術者の育成の強化、また、販売管理者についての研修へフィッティングに関する事項を盛り込む等、業界指導を要望する。
* 補聴器について、安全上の観点からの出力最大音の設定、及び最低限の補聴効果等規格基準の設定を要望する。
* 薬事法に基づく表示について、指導の徹底を要望する。
* 集音器等についても安全性に関する基準を設け、また、難聴者が使用することのないよう指導の徹底を要望する。
【要望先】
厚生労働省医薬食品局 審査管理課医療機器審査管理室
厚生労働省医薬食品局 監視指導・麻薬対策課
経済産業省商務情報政策局 医療・福祉機器産業室
経済産業省製造産業局 日用品室
経済産業省 商務流通グループ製品安全課
有限責任中間法人日本補聴器工業会
社団法人日本通信販売協会
【情報提供先】
内閣府国民生活局 消費者調整課
経済産業省 商務流通グループ消費経済政策課
公正取引委員会事務総局 取引部景品表示監視室
社団法人日本耳鼻咽喉科学会
日本聴覚医学会
(2007年9月6日 国民生活センター)
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