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2004/03/17

聴覚障害者とハローワーク(1)

ハローワーク(公共職業安定所)の「障害者枠」で転職してから半年になりますけど、先日、勤務先に、ハローワーク飯田橋(東京)の「障害者支援担当者」の方が見えられ、半日ほどフォローアップを受けました。
雇用保険(失業給付)のお世話になるまでハローワークのイメージは良くなくって、何かすごーい暗い・嫌ーなイメージを抱いてたんですけど、いざ自分がお世話になってみると、こと「障害者雇用」だけに限って言えば、「なかなか捨てたもんじゃないなー!」って感心しました。イメージに反して(笑)、けっこう綿密にフォローをして下さいます。

求職活動中のハローワークでのフォローは、カウンセリングにとても近い感じでした。単なる「職業紹介」じゃないんですよね。とにかく親身。この点でも、ハローワークのイメージがぐーんと変わりました。
障害者の求職活動は、正直言って、実に厳しいものがあります。私も30数社廻ったんですけど、最終面接で蹴られてしまうことが続きました。聴覚障害者を採用したがらない、という傾向があることもわかりました(理由は後述)。

こんな日々が続くと、当然のことながら、精神的にまいってきちゃいます。
かと言って、「前職(知的障害者施設職員)でボロボロになって、とうとう燃え尽きちゃった感じ」とくらべると、大したことでもありませんでした(苦笑)。イヤな職場・自分に合わない職場に居続けるほどつらいことはない、ってつくづく思ってましたし。まぁ、だからといって、「自分に合った新しい職場が見つかる」っていう保証は、どこにもありませんでしたけどね。
とにかく、前の職場は人間関係が濃密過ぎて、疲れ切ってしまいました。率直に言って、これは福祉業界独特の傾向でして、それで辞めちゃう人が多いのが実情です。
で、ハローワークの方は、そういった諸々をすごーく理解・共感して下さって、実に根気強くフォローして下さいました。まさに「ともに求職活動にかけずり廻る」っていう感じ。ああいう仕事もいいなー(笑)。

さて。
昨年の秋、最後の最後、まさに土壇場で、いきなり再就職先が決まりました。東京都心にある、某大手石油会社の人事職に。
いまだから言ってしまいますけど、通勤時間がけっこうかかる(片道1時間半~2時間)んで、あまり気が進まなかった所でもありました(苦笑)。まぁ、これも「縁」なんでしょうねぇ。
障害者を雇用するのはまったく初めて、っていうことで、入社後も実にマメに気を使って下さいます。こちらが恐縮しちゃうくらいです。でも、障害者を本気で受け入れよう、っていうことがひしひしと伝わってくる…。給料もそれなりです(障害者の給料は、正直言って、実に安いんです。待遇も悪かったりします。)し、「“恵まれた職場”に入れて、ほんとうに良かったなー」って、いまはとっても感謝しています。

聴覚障害者は、職場でのコミュニケーションにかなり難があります。
たとえ自分自身が手話を使えるとしても、「会社で手話を使ってくれる」ということは稀。筆談での対応すら面倒くさがる所も多い、ってよく耳にします。
そのため、ハローワークの方もおっしゃっていたんですが、就職しても周りとうまく馴染むことができず、半年も持たないで辞めちゃう聴覚障害者が多いんだそうです。
そういうことが続くと、人事計画がメチャメチャになってしまいます。人事職になってからは、よーくわかるようになりました(苦笑)。
会社のほうでも、採用面接でよーく観察して、「この聴覚障害の程度だと持たないかも」ってわかると、結局は採用しないんだそうです。私の場合もそれだったんですねぇ、おそらく。
ただ、「ろう者とくらべると、中途失聴者や難聴者はまだマシ」というようなことも、ハローワークの方がおっしゃっていました。
ろう者、特に「生まれつき聴こえない人」の場合、ろう学校を中心とする「ろう文化」に馴染み過ぎたあまり、一般社会の常識に合わせにくい部分が多いそうです。また、「聴こえる世界」「日本語の使い方」を知らないで育ってきたため、ビジネス文書の作成ができなかったり(「てにをは」のミスが多く、使いものにならないそうです。)して、会社ではかなり嫌がるそうです。

この話をうかがって、「なるほどなー!」って思いました。
やっぱり、「聴覚障害者」っていうカテゴリーで十把ひとからげにすることはできないですよねぇ。なぜなら、「聴こえない」っていうことがもたらしている「さまざまな制約」が、それぞれ異なっているからです。
ろう者にはろう者の、中途失聴者には中途失聴者の独特の制約がある…。そのため、それらに対する、いわば「ピンポイント的なフォロー」がないと有効じゃあない…。
それだけは確実に言えるんじゃないかな?、って思いましたし、聴覚障害者に限らず、障害者の求職活動&就職後のフォローにおいては非常に重要なポイントになるだろうなぁ、って考えています。

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