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2004/03/14

もう障害者施設は作らせない

厚生労働省は、障害者入所施設の新設や定員増を伴う増・改築に対して、2004年度からは原則として国の補助を出さない、という方針を決めました。
国は2002年12月に既に「入所施設は真に必要なものだけに限定する」という方針を打ち出しています(後述)が、その後も補助申請が多いことから、より厳しい方針で臨もう、というものです。近く、都道府県に正式に通知されます。
なお、地域交流やサービスの拠点になる、施設でなければ対応できない重い行動障害を持つ者がいる等、特に必要がある場合に限って補助を認める、としています(有識者や保護者団体等から意見をきいて厳密に判断し、6月に都道府県に内示する予定です。)。

入所施設の建設費は、国が全体の2分の1の額を、都道府県が同じく4分の1の額を補助しています(建物のみ)。また、市町村によっては、独自の補助を行なっているところもあります。
これによって、施設を建設する社会福祉法人(又は市町村)の自己負担は、全体の4分の1の額で済みます。たとえば、建設費全体(但し、土地の購入費用は含まれない。土地は基本的に全額自己負担。)で1億円かかっても、2500万円だけを自己調達すればよいわけです。
このため、いままでは、ほとんどの社会福祉法人(又は市町村)が補助を受けてきました。
しかし、国が補助を行なわなくなると、その分の補助を都道府県が上乗せすることは財政的に非常に厳しく、施設の新・増設はきわめてむずかしくなると思われます。

戦後、日本の障害者福祉は入所施設を中心に進められてきました。それに伴って、施設も増え続けてきました。
しかし、外国(特に、スウェーデンやデンマーク等の福祉先進国)では、1960年代以降、「障害がある人もない人も、同じように地域で暮らす」という「ノーマライゼーション」の考え方が急速に主流になってきました。
日本でも、近年はその考え方がかなり浸透してきていて、2002年12月に発表された国の「新・障害者基本計画」(2003年度~2012年度)で入所施設の新・増設を抑制する方針が打ち出されたのでした。

厚生労働省では、障害者が地域で生活するための支援態勢を充実させてゆくために、施設の新・増設に充てる分だった補助額を、新たにデイサービス(日帰り介護・日帰り支援)や通所授産施設(いわゆる「作業所」)の整備に充てることにしています。
そのほか、知的障害者や精神障害者が単身でも公営住宅に入居できるようにしたり(現在でも、一部の地方自治体では可能)、公営住宅等をグループホームとして利用できるように(同じく、現在でも可能)国土交通省と協議してゆく等、受け皿づくりに力を入れてゆく方針です。

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