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2004/05/24

施設におけるずさんな金銭管理

知的障害者施設や高齢者施設における金銭管理の実態が、4月7日、国民生活センターが初めて行なった全国調査で明らかになっています。
金銭管理に関する契約書を交わさないまま利用者の金銭を預かっている、という施設が多数存在し、また、支援費制度や介護保険制度で定められている以外にさまざまな名目で利用者から雑費を徴収している(制度外の費用徴収)、という「違法性」が浮き彫りになりました。
国民生活センターは厚生労働省に対し、ずさんな金銭管理の改善を指導するように強く要望するとともに、制度外の費用徴収に関する具体的なガイドラインを策定するように求めています。

調査は、2003年10月、全国の知的障害者入所施設や特別養護老人ホームなど、計 5,000施設を対象として実施されています。32都道府県の 2,938施設から回答が得られました。
利用者の金銭を何らかの形で預かっているのは、回答全体の 92.5%にあたる 2,719施設。このうち、「金銭管理に関する契約書を利用者の大半と取り交わしている」のは 67.9%でした。
痴呆性高齢者グループホームでは、47.8%が「金銭管理に関する契約書を利用者の大半と取り交わしていない」と答えています。
一方、114施設では、家族などに対して使途明細や残高さえ報告していません。
そのほか、制度外の費用徴収を行なう施設が目立ち、日用品費(42.1%が徴収)、おやつ代(21.5%が徴収)、買い物代行費(7.1%が徴収)などまで徴収する施設さえあることが明らかになっています。

金銭を施設で預かる以上は、わかりやすい書面によって、施設と利用者の間で委託契約を結ぶ必要があります。というより、一般社会では、それが常識だと思います。
しかし、私が平成14年度まで勤めていた知的障害者施設でもそうでしたが、その必要性が著しく軽視されているのが実態です。
あえて言うなら、「社会の常識は施設の(あるいは福祉の)非常識」。そんなところがあるのです。

施設だからといって、社会のルール(常識)が軽視されてよいはずがありません。
このほかに「施設での顕著な非常識の例」をあげてみれば、入浴介助時の異性介助が挙げられるでしょうか。
女性利用者を男性職員が介助したりします。プライバシーや羞恥心の問題を持ち出すまでもなく、いくらなんでも、これもまたおかしいと思います。

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コメント

はじめまして。某自治体の介護保険担当です。
当自治体では、各施設ごとに金銭管理費を含む制度外費用の全てをチェックしていますが、金銭管理上の契約書の有無についてはノーチェックでした。

トラブルが発生してからでは遅いですね。
新たな指導項目として、検討する必要がありそうです。

投稿: かなめのパパ | 2004/05/25 20:27

はじめまして、「かなめのパパ」さん。
コメントをありがとうございます。

金銭管理契約については、法律上、あくまでも事業者(施設)と利用者との間で締結されることが前提です。一般には、民法上の委任・委託契約となります。
しかし、現実には、知的障害者や痴呆性高齢者の場合、意思表示能力や契約能力に疑問符が付くことが多々ありますよね。

したがって、地域福祉権利擁護事業や成年後見制度、もしくは任意後見制度などの利用が必要になってくると思います。
そのため、今後は、事業者(施設)や利用者本人はもちろんのこと、行政担当者にとっても、これらの制度に関する知識がますます不可欠になってくるのではないでしょうか?

金銭管理に伴うトラブルを未然に防ぐために、行政担当者の方の奮闘にも期待させていただきますね。

投稿: まろくん | 2004/05/26 12:42

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