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2004/07/11

障害者就労支援施設の再編

厚生労働省は、一般企業への障害者の就労率を高めるため、現行の障害者就労支援施設(授産施設や作業所など)を対象者の職業能力に応じて以下の3類型に再編し、それぞれの機能の強化を図ってゆく方針を明らかにしました。

【再編後の3類型】

1.就労移行支援施設(訓練施設)
障害者が一般企業で働くための知識や能力の獲得を目的として、訓練・支援を行なう。
2.継続的就労支援施設
ある一定の条件の下でなければ一般企業で働くことがむずかしい人を対象に、その条件の下での支援を行ない、継続的な就労を促す。ジョブコーチ(継続的就労介助者)も積極的に導入。
3.日中活動支援施設
障害が重いなどの理由により就労が困難な人を対象に、日中活動(作業活動など)を中心とする支援を行なう。

これらの施設は5年程度をかけて、段階的な見直し・整理を行ないます。
また、国による補助金の支出も、施設の機能や就労達成実績などに応じて改められることになりました。

1つの施設で複数の機能を持つ「小規模・多機能型施設」の導入も検討されます。
就労移行支援施設では、就職後の職場への適応を支えてゆく機能を設けるほか、仮に離職してしまっても再挑戦できる「離職者支援システム」を設けることも予定されています。
さらに、身体障害・知的障害・精神障害と分かれている現行の施設種別の廃止も、視野に入れてゆくことになりました。

企業向けの対策としては、重度障害者の在宅勤務制度(SOHO)を導入する企業に対する新たな助成制度の創設を図るほか、精神障害者を法定雇用率に算入するなどの方向性が示されています。
厚生労働省では7月下旬にも、堀田 力氏(さわやか福祉財団理事長)を座長に、企業関係者と福祉関係者らで構成される有識者懇談会を発足させ、具体的な議論を始める予定です。

障害者の雇用者数は、1998年度時点で約52万人。
厚生労働省では、上述した就労支援策などを進めることによって、2008年度には、これを60万人に持ってゆくことをめざしています。
一方、盲・ろう・養護学校高等部卒業者の進路は、その56%が福祉施設など(2002年度)。一般企業への就職は19%に過ぎません。さらに、福祉施設から一般企業への就職を果たす人は、きわめて少ないのが現状です。

上述の就労支援策の前途は、非常に厳しいものが予想されます。
しかし、だからこそ、福祉側の考え方がこのように変わりつつあるいま、企業側も、より積極的に考え方を変えてゆく必要に迫られているのではないか?、と思います。
企業側の考え方が変わってゆかなければ、就労支援策も「絵に描いた餅」に終わってしまうでしょう。そうならないことを願いたいものです。

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