« 発達障害支援法案(4) | トップページ | 身体・知的・精神の3施策を一本化~障害福祉サービス法 »

2004/10/01

社会福祉法人の不当降格事件に判決

埼玉県所沢市で知的障害者施設を運営する社会福祉法人藤の実会(木下二郎理事長)を相手取り、山原孝敏さん(57歳)と久尾晶子さん(55歳)が降格人事の撤回などを求めていた訴訟の判決が、2004年9月28日、さいたま地裁川越支部でありました。
清水研一裁判長は「本件降格は使用者(法人)の裁量を著しく逸脱したもので、人事権の濫用であり、無効である。」と、山原さんと久尾さんの主張をほぼ全面的に認め(注:要求していた各100万円の慰謝料については「理由がない」として退けています。)、降格前の地位を確認降格後の給与などとの差額である 計 約 1,154万円の支払いを法人に命じました。

法人は、知的障害者更生施設(ところざわ学園)を設置・運営。所沢市からは、知的障害者通所授産施設(所沢市立はばたき)などの運営を受託しています。

法人は2001年11月1日付けの人事で、所沢市立はばたき施設長だった山原さんを4段階降格のヒラ指導員に、法人事務局事務課長だった久尾さんを3段階降格のヒラ指導員へと異動させました。
そのため、山原さんは月額給与が約15万円減、久尾さんは同約7万円減と、給与・賞与が大幅に減額となりました。

被告側(法人)は「懲戒処分ではなく、人事異動である。(原告側には)情報漏洩(守秘義務違反)や無断欠勤などの就業規則違反もあったため、それを理由に降格した。」「入所者への暴力やセクハラなどの情報が寄せられた別の男性職員(ところざわ学園施設長田中利夫さん。現に、私自身もこれらの事実を目撃しています。)に対して、管理職への就任を辞退するように脅迫した。」などと主張。
これに対して、原告側は情報漏洩や脅迫などを否定した上で、「降格は実質的な懲戒処分であり、弁明の機会を保障した就業規則にも著しく違反し、人事権の濫用である。」と反論していました。

判決で、清水裁判長は「田中さんに対して抗議の電話をしてはいるが、しかし、脅迫したことを認める証拠はない。」「降格で給与などが大幅に減額され、原告に対して多大な不利益を与えた。また、十分な弁明・反論の機会を与えた形跡も見られない。」と、使用者(法人)側の裁量逸脱を認定。被告(法人)側の示した多数の降格理由については、「(法人の)主張の時期や主張のしかた自体が、(一部を除いて)真に本件の降格理由か否か疑念を抱かせる。」と厳しく批判しています。

斉藤和男法人事務局長は「(判決の)具体的な内容についてはまだ見ておらず、今後のことは、判決文を見てから検討したい。」とコメントしています。

【おことわり】
諸事情により、この記事へのコメントおよびトラックバックは受け付けておりません。
あしからずご了承下さい。

|

« 発達障害支援法案(4) | トップページ | 身体・知的・精神の3施策を一本化~障害福祉サービス法 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。