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2004/11/29

負担増必至~障害福祉サービス法

既報のとおり、厚生労働省は来年(2005年)の通常国会に「障害福祉サービス法」(仮称)の法案提出をめざしています。
障害福祉サービス法は、身体障害・知的障害・精神障害とそれぞれに分かれている障害者福祉サービスを一元化しよう、というものです。

厚生労働省は、11月26日までに、サービス利用者の「1割自己負担」と「食費等徴収(介護保険で言う「ホテルコスト」の徴収)」を前提に、一元化した場合の対予算効果をまとめました。
試算によると、2006年度(平成18年度)の給付費については、年間 1,000億円程度抑制できる見込みとなっています。

● 厚生労働省としての考え
1.「個別給付」と「地域生活支援事業」に再編
 ・個別給付 … 個人単位のサービス(例:施設、ホームヘルプサービス)
 ・地域生活支援事業 … 事業単位のサービス(例:相談支援サービス)
2.利用量に応じた自己負担(1割以上)とする(応益負担
3.入所施設の食費や高熱水費(ホテルコスト)は、原則として全額自己負担とする

● 試算の前提
1.利用者の自己負担1割とする
 ・上限は月額 40,200円
 ・市町村民税非課税世帯は、所得により月額 24,600円または月額 15,000円
2.食費および光熱水費(ホテルコスト)は、原則として全額自己負担とする
 ・食費 … 月額 48,000円
 ・光熱水費 … 月額 10,000円

● 試算による対予算効果
1.2006年度(平成18年度)の給付費(障害福祉サービスに係る費用)の総額は、年間1兆1,500億円
 ・個別給付 … 年間 9,700億円(- 1,000億円)
   (自己負担やホテルコストの徴収を導入しない場合は、年間で1兆800億円)
 ・地域生活支援事業 … 年間 700億円

2003年度(平成15年度)からスタートした支援費制度を契機に、障害福祉サービスの利用が急伸しています。
厚生労働省が11月12日の社会保障審議会障害者部会で示したまとめによると、今後の推移の見通しについては、次のとおりとなっています。

【障害福祉サービスの今後の推移の見通し】

1.在宅サービス(ホームヘルプサービスなど)
 2011年度(平成23年度)は 758,000件(+ 2.3倍)
2.施設サービス
 2011年度(平成23年度)は 436,000件(+ 1.3倍)
  (注:入所・通所施設や小規模作業所などの利用が毎年 14,000件ずつ増えると見込む)
3.給付費総額は毎年7%のペースで増えてゆく

また、特に「個別給付」については、次のとおりとなっています。

【個別給付に係る今後の推移の見通し】

1.当面、年6%のペースで増える
2.2008年度(平成20年度)には、個別給付の伸びが国の一般歳出の伸び(この10年間で平均 1.3%)を超過する
3.2011年度(平成23年度)は年間1兆5,500億円(2003年度(平成15年度)の 1.7倍)
 (11月12日 厚生労働省社会保障審議会障害者部会)

支援費制度では、2004年度(平成16年度)の国の補助金が年間 280億円ほど不足することが見込まれており、財政的に非常に厳しい状況に追い込まれています。
このため、厚生労働省では、上述したように、障害福祉サービスに「自己負担(低所得者に配慮しつつ、応益負担を実施)」を導入することを検討し始めたほか、次のようなことを考えています。

1.介護保険制度との統合既報
 注1:来年度の「介護保険制度改革」に合わせた統合が考えられている
 注2:来年度からの統合は「時期尚早」「議論不足」として見送られる見通し
 注3:関係者の間では「いずれ統合されることは必至」という見方が強い
 注4:介護保険関係者や経済界には、反対の声が強い
 注5:障害福祉関係者の間では、統合を望む声が意外なほど高い(→ 過剰な期待?)
 注6:障害福祉関係者の間では、統合に対する姿勢に大きな差が見られる(→ まとまっていない)

2.新障害程度区分の導入
 ・サービスの利用量や内容を決める尺度となる

3.障害者給付審査会の設置(原則として市町村単位)
 ・介護保険制度をモデルにする

いずれにしても、「ほぼ数年で、新たな負担増や給付抑制策が必要になることが避けられない」というデータが出ており、抜本的な改革が急がれます。

【関連記事(当サイト)】

支援費制度 <注:カテゴリー>
身体・知的・精神の3施策を一本化~障害福祉サービス法
障害者施策改革試案

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