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2004/12/21

障害基礎年金~現況届(年金診断書)(1)

国民年金受給権者現況届(年金診断書)

障害基礎年金(国民年金)を受給していると、年に1回、現況届の提出を求められます。
現況届は、通常、診断書(医師の診断による障害の現況を記載したもの)の添付を要しない簡単なもの(送られてくるハガキに、氏名や収入の状況などを記入して返信する。)なのですが、ある一定の期間ごと(注:追って、別の記事として詳細を書きますので、しばらくお待ち下さい。)に、診断書の添付が必要になります。

これは法律で決められていて、そのときには、誕生月の直前に、ハガキではなく、上記のようなA3判の現況届が送られてきます。
その現況届を「国民年金受給権者現況届(年金診断書)」と言います。

要するに、この現況届では、A3判1枚の用紙に、現況届と添付用診断書が一緒になっています。
この現況届が届いたときは、誕生月の末日までに、指定された方法によって提出しなければいけません。

実は、このときの診断書の書かれ方によって、障害等級が変わってきてしまうことがあります。
特に、障害程度が1級と2級の境目周辺に該当する場合には、それによって、受け取れる年金の額に大きな差が出てきてしまう(大幅ダウンを招く)場合も少なくありません。

これは、医師が、障害程度測定方法や診断書の書き方を熟知していない場合によく起こります。
たとえば、全く同じ障害であっても、身体障害者手帳の交付申請のときに用いられる障害程度測定方法と、年金の裁定請求(受給申請)や現況届のときに用いられる障害程度測定方法とでは、かなりの差があったりする場合がありますし、また、測定値の算出方法測定誤差の取扱方法なども大きく異なってきます。
実のところ、この両者を混同してしまう医師がきわめて多いのが実情です。言い替えると、「医師がきわめてミスしやすい」ということになります。

私の場合(両耳性の高音急墜型高度感音性難聴)にも、例外ではありませんでした。
主治医(耳鼻咽喉科医)は身体障害者福祉法指定医で、身体障害者手帳用の診断書や年金用の診断書の作成に慣れていらっしゃる方なのですが、ミスを犯されてしまいました。
上の画像を見ていただくとわかると思いますが、聴力レベルにミスがあったのです。

実際の聴力レベルは両耳とも 102.5dBで、これは1級障害基礎年金の受給対象に該当するのですが、最初は、右耳 86.5db・左耳 85.2dBという数値が記載されていました。
これは、測定値の算出方法や測定誤差の取扱方法を主治医が誤ったためです。
ただ、障害者本人がすぐにこういったミスに気づけるか、と言うと、答えは「NO」と言うしかありません。障害認定方法が法律によって実にバラバラで、きわめて複雑過ぎるからです。

私の場合、そのまま国民年金受給権者現況届(年金診断書)を提出しまっていたら、実は、2級障害基礎年金さえ受け取れませんでした。つまり、いきなり「年金ゼロ」になってしまうところだったのです。
でも、最初はそれに気づきませんでした。

医師が書いた数値というのはクセモノで、通常は、それを信じ切ってしまいます。
右耳 86.5db・左耳 85.2dBという数値にも、いったんは「うーん、そんなものなのかなぁ?以前よりも聴こえが良くなったのかなぁ?」としか思いませんでした。
ところが、よくよく見てみると、どう見てもオージオグラム(聴力レベルのグラフ)が全く変わっていない…。
とすると、以前と同様、両耳とも 102.5dBにならなければおかしいわけです。何よりも、感音性難聴がいきなり快復する、などということはありえませんし。

それに気づいたのが、実は、しゃろおむ(妻)。
測定値の算出方法測定誤差の取扱方法を調べ上げ、主治医が身体障害者手帳交付申請用の診断基準と混同しており、本来はやはり 102.5dBになることを確認すると、すぐに連絡を取ってくれました。

翌日、私はわざわざ休みを取って、診断書を書き替えてもらいに行きました。
正直言って、主治医は、なかなかミスを認めようとはしなかったですねぇ。プライドがあるからなのでしょうけど。
でも、ミスはミス。障害者本人にとっては死活問題ですから、このへんはしっかりやっていただかないと困りますよね。

先ほども書いたように、きわめて複雑過ぎる障害認定システムがこのような問題を招いてしまっています。
しかし、システムをあらためてゆくには膨大な労力と時間がかかるため、国は、重い腰をなかなか上げようとはしません。
それだけに、当座は障害者ひとりひとりが豊富な知識を身に付けて、自己防衛を図ってゆくしかないでしょう。当サイト『障害福祉~かざぐるま』がその一端を担えたら、と願っています。

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