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2005/07/27

障害者自立支援法~低所得者自己負担額の半額減免(2)

「障害者自立支援法~低所得者自己負担額の半額減免(1)」をざっと読んだだけだと、一見「障害者本人の自己負担額が下がる」「1割負担をしなくて済む」と思うかもしれない。
しかし、自己負担額の定義そのものは変わらない。原則1割負担、というところも変わらない。
だから、だまされてはいけない。

半額減免措置、と言われているが、実際には、「自己負担の半額相当分を社会福祉法人が出してほしい。“やります”と返事をしてくれないか?」という厚生労働省の呼びかけが出された、というのが正しい。
そして、「どうだ?“やります”と返事をしてくれたら、法人に対してカネをくれてやる!」というのが、厚生労働省の言い分なのだ。
はっきり言えば、法人を助けようとしているのであって、障害者本人を助けようとしているわけではない。

法人が“やりません”と言えばそれで終わりだし、「金をかけたくない」というのが国の本音なのではないか?
そうなると、結局、自己負担額の定義そのものは変わらないわけだから、やはり1割負担のままだ。
半額減免措置を法人が“やりたくない”と言えば、障害者は恩恵を受けることができなくなる…。
厚生労働省の方針は一見「よい話」のように思えるが、決して甘くないのだ。

というより、既に現行の支援費制度が破綻してしまった以上、国にこんなことをできるお金(必要経費の財源)があるとは思えない。
行き当たりばったりでこのような方針を出したのだろうか?
とても、きちっと考えたとは思えないものがある。
何しろ、たった約3年で鳴り物入りで始まった支援費制度(障害者施策。2003年度から始まった。)も終焉を迎えようとしているのだから。

支援費制度の失敗の原因は「必要経費の見誤り」だった。
それを猛省し、根本から改めるはずではなかったのか? 財源の確保のための手立てをきちっと行なったのか?
障害者本人に自己負担を強いているのにもかかわらず、「全体としての財源は確保した」などという顔をするのはやめてほしい!

障害者自立支援法による障害者総合施策も、とても成功するとは思えない。
福祉関係の法律の中では、過去最悪の悪法かもしれない。

ここから先は蛇足。
全日本手をつなぐ育成会(知的障害児・社の保護者らの団体)は、法案に真っ先に賛成した団体である。
開いた口がふさがらない。いったい何を考えているのだ?
育成会の代表理事のM氏は、社会福祉審議会障害者部会の委員で、今回の法案の審議に大きくかかわっている。
本来ならば、末端の保護者たちの意見を十分に反映した意見提起をやってしかるべきだが、私の知るかぎり、そのようなことをやった形跡がほとんどない。
審議会の議事録などを見てもわかるし、育成会のホームページなどで氏が中心となって書いている活動方針などでもわかる。
要するに、これでは厚生労働省の傀儡(「かいらい」と読む。あやつり人形のこと。)ではないか?
こういう委員がいるから悪法が成立してしまう、という側面も知っておいたほうがいいだろう。

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コメント

> 支援費制度の失敗の原因は「必要経費の見誤り」だった。
> それを猛省し、根本から改めるはずではなかったのか? 財源の確保のための手立てをきちっと行なったのか?

まったく同感です。
以前、グランドデザインに関するシンポに出て厚労省の課長さんの説明を伺ったのですが、障がい者の生活に必要な費用を算出した根拠になる調査が、妥当な調査に基づくものではない(というかろくに調査してない)ということが分かり、会場が怒号に包まれたことがあります。

嗚呼

投稿: ガイヘル | 2005/08/01 06:06

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