障害者の権利条約
政府は9月28日の閣議で、国連の「障害のある人の権利に関する条約(障害者の権利条約)」に署名することを決定し、訪米中の高村正彦外相が直ちに、ニューヨークの国連本部で署名を行ないました。
「障害者の権利条約」は、障害者を対象にした初の国際条約で、2006年12月の国連総会で採択されました。
同条約は全50条から成るもので、障害者の市民的権利や政治的権利の保障、教育を受ける権利の保障、労働・雇用の権利の保障‥‥などをうたい、障害に基づく差別を禁止しています。
また、障害者の教育や就職に際して過度な負担がかからないような「合理的配慮」を行なうよう、学校や事業主に義務づけるとともに、それらを含めた諸政策の実施を監視するための公的監視機関の設置義務も盛り込まれています。
条約は20か国が「批准」(国家が、条約に拘束されることに対する正式な同意を表明するための方法の1つ。条約への署名を行なった後、その内容に対する国会の同意を得て、批准書を寄託する。)した時点で発効します。
ところが、9月28日までに批准したのはわずか5か国。国際的な議論を高めることが強く望まれます。
「批准」にこぎつけるまでには、さまざまな国内法をより整備してゆくことも不可欠で、もちろん、わが国も例外ではありません。
たとえば、学校教育においては、障害を持つ児童を障害児学級や養護学校(特別支援学校)に入れるなどの「分離教育」が続けられてきましたが、より「インテグレーション(統合教育)」を推進するなどの制度転換が強く求められます。
一方、現行の「障害者基本法」においては、一応「障害者への差別禁止」がうたわれているものの、差別を受けた障害者に対する救済措置が何ら規定されていません。
したがって、「障害者基本法」の全面的見直しも不可欠になってきます。
ほんとうの意味で障害者の権利が守られるように、早急に国内法を整備し、一日でも早く「障害者の権利条約」が「批准」されることを願ってやみません。
--------------------------------------------------障害者権利条約に日本署名 国連で高村外相
高村外相は28日午後(日本時間29日未明)、国連本部で障害者への差別撤廃と社会参加の促進を求める人権条約「障害者の権利条約」に署名した。
同条約の最初の署名式は今年3月に行われ、80カ国以上が署名したが、日本政府は「国内法の整備が整っていない」として見送った経緯がある。日本は外務省や法務省、警察庁など9省庁で構成する「障害者権利条約にかかわる対応推進チーム」をすでに発足させている。
今後、同チームを中心に、関連する法律の改正などを検討し、早期の締結(批准)をめざす考えだ。同条約は、締約国に対し、交通、教育、雇用などの面で障害者の立場改善のための立法・行政措置を要求。障害者を差別する国内法や慣習の廃止を義務づけている。
06年12月の国連総会で全会一致で採択された。条約に署名済みの国は9月27日時点で、113カ国と欧州共同体(EC)。
必要な法整備をして条約を締結している国はクロアチアやキューバなど5カ国。
条約が発効するには、20カ国以上の締結が必要となる。(2009年9月29日 asahi.com ─ 朝日新聞)
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