こんにちは。
皆さんからのお問い合わせが非常に多い「身体障害認定基準」について、その根拠法令等を一挙に紹介したいと思います。
それぞれPDFファイルを用意しましたので、ご活用下さいね。
(1) 身体障害者障害程度等級表
法的には、身体障害者とは「身体障害者福祉法に基づいた身体障害者手帳を交付された者」です。
その交付根拠となるのが、この「身体障害者障害程度等級表」。各障害ごとの障害等級区分が定められています。
身体障害者福祉法施行規則第5条第3項別表第5号、とも言います。JR運賃割引の根拠となる「第1種」「第2種」の区別は、当等級表によります。
【特に注意!】
7級は、それ単独では身体障害者手帳の交付対象とはならず、身体障害者としても認められません。
ですから、7級の障害を1つしか持っていない、というときは、身体障害者手帳は交付されません。
7級の障害を2つ以上持つと6級となり、そのときに初めて、交付対象=身体障害者となります。
つまり、7級は、軽度の障害を重複して持つ者のために特別に設けられているだけの級、と考えて下さい。
また、障害によっては、ある級が存在しないもの(空白)もありますが、それは等級表の誤りではありません。
なぜそのようになっているのか、というと、各等級は「指数」という数字に置き換えることができ、その数字によって等級が自動的に決まるようになっているためです。
障害の重さによって指数が決まってくるため、たまたまその数字が特定の等級と合致しない場合は、その等級は空白になります。
(2) 身体障害認定基準
身体障害者障害程度等級表に定められている障害の程度や内容の認定方法を具体的に明らかにした、国による基準。
当基準はガイドラインとしての位置づけで、この基準に逸脱しない範囲内で、各都道府県・政令指定都市等が独自の認定基準を設けています。
したがって、実際の障害認定は、当基準によるとともに、各都道府県・政令指定都市等ごとの認定基準にもよります。
(3) 身体障害認定要領
身体障害認定基準による障害認定に関して、さらに細かい具体的な運用方法を定めたもの。
各都道府県・政令指定都市等ごとの障害認定は、当認定要領に大きく左右されています。
(4) 身体障害認定基準等の疑義解釈
国が明らかにした疑義解釈。
たとえば、複数の障害を重複している場合はどのように障害認定されるのか、乳幼児の障害認定の基準は?‥‥などといったことがわかります。
乳幼児の障害認定は、成長や療育により障害が軽減される可能性が高いため、原則として、3歳を過ぎないと行なわれません。もちろん、3歳前に障害認定がなされる場合もありますが、きわめて重度で回復の見込みが望めない先天性の障害に限られるなど、3歳前の障害認定はあくまでも特例的なものに過ぎません。
(5) 東京都身体障害認定基準
東京都の場合は、国の身体障害認定基準による障害認定と併せて、一定期間ごとの再認定が行なわれます。
前述のとおり、このような独自の認定基準を設けることは国によって認められているため、同様の再認定システムが設けられている所は少なくありません。
(6) 身体障害者福祉法指定医用の障害認定の手引き[埼玉県版]
障害認定を受けようとするときは、まず、身体障害者福祉法指定医による診断書・意見書が必要です。
意外と知られていませんが、指定医が記した診断書・意見書でなければ無効で、もしも主治医が指定医でない場合には、指定医である別の医師を探さないといけません。
指定医のリストは、最寄りの市区町村の障害福祉担当課・児童福祉担当課にあります。
(7) 精神障害者保健福祉手帳の障害等級判定基準
法的には、精神障害者とは「精神保健福祉法に基づいた精神障害者保健福祉手帳を交付された者」。
当基準は、精神障害の判定基準および同手帳の交付基準を定めたもので、全国共通の基準として運用されています。
なお、身体障害者や知的障害児者と異なり、JR運賃割引の対象にはなりません。
(8) 知的障害児者の判定基準[療育手帳制度]
知的障害児・知的障害者は、身体障害者や精神障害者と異なり、実は、法的には何1つ定義されていません。
意外に思われるかもしれませんが、知的障害者福祉法にも何も記されていないのです。
そこで、国は、厚生事務次官通知による療育手帳制度をガイドラインとして作り、各都道府県・政令指定都市等ごとの独自の運用を認めました。
このため、各都道府県・政令指定都市ごとに認定基準がバラバラで、かなり大きく異なっています。手帳の名称も自治体ごとに異なるほか、障害等級区分さえ異なります。
また、療育手帳制度における「重度」の知的障害児者は、「施設に入所させなければならないほどの重い障害を持つ者」とされ、「施設福祉」を前提とした制度になってしまっています。
さらに、実際には、「重度」の知的障害児者であっても、地域社会での適切なサポートの下で、「施設」に頼らずに自立生活を営んでゆくことも可能なはずですから、同手帳制度は、現在の知的障害児者福祉の動静を反映したものではなくなっています。
いままであまり論じられてはきませんでしたが、これらの事実は、非常に大きな問題点なのではないかと思います。全国統一の判定基準が一日も早く作られるといいですね(注:試案段階の「療育手帳判定基準ガイドライン」というものが既にできあがっていますが、一般には公開されていません。)
なお、身体障害者と同じく、JR運賃割引の対象で「第1種」「第2種」がありますが、前述のとおり、その線引きは各都道府県・政令指定都市ごとに異なる、という実態を踏まえた上でご活用下さい。
※ 療育手帳判定基準ガイドライン(案)
平成16年から18年にかけて試案としてまとめられたもので、全国知的障害者更生相談所長協議会の内部で配布されています。
(9) 横浜市療育手帳判定基準(資料を含む)
横浜市の資料です。
【PDF】
(1) 身体障害者障害程度等級表
(2) 身体障害認定基準
(3) 身体障害認定要領
(4) 身体障害認定基準等の疑義解釈
(5) 東京都身体障害認定基準
(6) 身体障害者福祉法指定医用の障害認定の手引き[埼玉県版]
(7) 精神障害者保健福祉手帳の障害等級判定基準
(8) 知的障害児者の判定基準[療育手帳制度]
(9) 横浜市療育手帳判定基準(資料を含む)
【ダウンロードの手順(Windows の場合)】
Internet Explorer 6 を使っている場合は、次のとおりです。
なお、「名前をつけて保存」するときのファイル名は、自動的に付きます。
1. リンクの上をマウスで右クリック(マウスの右ボタンを使う)
2. コンテキストメニュー(右クリックしたときのメニュー)が現われる
3. 「対象をファイルに保存」を選択
4. 「ファイルのダウンロード」で「名前をつけて保存」を行なう
閲覧には Adobe Reader(Adobe Acrobat Reader) が必要です。

【関連書籍】
「新訂 身体障害認定基準及び認定要領 ─ 解釈と運用[補訂版]」
編集:障害者問題研究会
発行:2007年5月1日(補訂版第2刷)
刊行:中央法規出版
税込価格:5,775円
ISBN(書籍コード):ISBN978-4-8058-4626-1
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【関連記事(当サイト)】
JR旅客運賃割引制度
第1種・第2種って?
【予告】
次回は、国民年金・障害厚生年金の障害認定基準(障害基礎年金・障害厚生年金)を紹介します。
(※ 各手帳の障害認定基準と年金での障害認定基準は全くの別物で、相互の関連性もありません。)
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