経済・政治・国際

2009/07/21

衆議院解散 ― 障害者自立支援法改正案など廃案

7月21日に衆議院解散され、障害者自立支援法改正案(政府提出/閣法)や障害者虐待防止法案(議員立法/衆法)などの障害者関連の法律も、1度も審議されることなく廃案となりました。

廃案となった政府提出の17法案

障害者自立支援法改正案
 概要http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/171u.pdf
 要綱http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/171v.pdf
 新旧対照表http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/171x.pdf
○ 被用者年金一元化法案
○ 小規模企業共済法改正案
○ 確定拠出年金法改正案
○ 労働者派遣法改正案
○ 行政不服審査法案
○ 行政不服審査法施行関係法整備法案
○ 行政手続法改正案
○ 公務員制度改革関連法案
○ 地方公務員法・地方独立行政法人法改正案
○ 独立行政法人通則法改正案
○ 独立行政法人通則法施行関係法整備法案
○ 独立行政法人統計センター法改正案
○ 独立行政法人気象研究所法案
○ 成田国際空港株式会社法改正案
○ 組織的犯罪処罰法改正案(共謀罪創設法案)
○ 貨物検査特別措置法案

障害者自立支援法改正案廃案となったことにより、以下のような改正は、さらに遠のきました。

● 利用者負担を旧来の「応能負担」(実際の負担能力に応じた負担。収入のない障害者には負担を求めない、というもの。)に戻す措置
発達障害者が障害者自立支援法によるサービスの対象であることの、法律の条文への明示
障害程度区分の見直し
● 支給決定プロセスの大幅な見直し(サービス利用計画書の作成対象者の大幅な拡大)
放課後等デイサービス事業の創設
身体障害者もグループホームやケアホームを利用できるようにすること

障害者自立支援法の改正は、衆議院議員総選挙(8月30日投開票)後に招集される次期国会で、全くイチからの仕切り直しとなってしまいます。

小泉首相当時の前回の衆議院解散(いわゆる「郵政民営化解散」)の際は、障害者自立支援法の成立の是非が問われましたが、今回の解散でも、またしても政治に翻弄されたわけです。
政治、いや、個々の政党や議員の質が激しく問われますが、裏を返せば、国民の選挙行動が問われるということでもあります。
今度こそ、冷静かつ正しい目をもって、真の障害者福祉を実現でき得る政党や議員を選びたいものです。

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2008/07/11

改正社会福祉士・介護福祉士法に隠された問題点

昨年11月末に、「改正社会福祉士・介護福祉士法」が可決・成立してます。
この改正法、表向きは「社会福祉士や介護福祉士の資質向上のため」っていうことになってます。そのため、「准介護福祉士」なる新資格も創設するとか。社会福祉士・介護福祉士の制度が発足して以来20年を経て、初の見直しです。

ところが、実際は「あまりにも人材難なんで、フィリピンやインドネシアから介護従事者を求む!」っていう政策による、とんでもない苦肉の策。
何か、国に激しく勘違いされてるような気がします。

そもそも、人材難は、介護保険法や障害者自立支援法などの大失敗による介護報酬等の低下から来てるもの。資質にクエスチョンマークが付く社会福祉士・介護福祉士の存在は決して否定しませんけど、問題の根は「法制の大失敗」ってところにあるんじゃないのかな?
まぁ、一応、この点は国も自覚はしてるようで、「改正法施行5年後をメドにさらに見直す」っていう規定だけは盛り込まれてます。

で、普通に考えて、日本語でのコミュニケーションもあやふやな外国人に、ちゃんとした介護が務まるとは思いません。
准介護福祉士として外国人を採用するそうですけどもね。

コミュニケーションっていうのは、たとえどんなに障害などが重かろうと、非常に重要です。
そのコミュニケーションは日本語で行なわれなければあまり意味がないはずだし、認知症高齢者に対するサポートなんかの場合だと、その人が生きてきた「わが国独特の文化的背景」なんかも特にきちっと理解できてなければ。
となると、う~ん、言葉は悪いんですけど、外国人介護従事者は「単なる雑用係」として使い捨てになるのがオチかも。

そりゃあ、介護現場の厳しい実態を考えれば、ネコの手も借りたいというか、少しでもそういった「雑用係」の人がいてくれたほうがいいんでしょう。
でも、はたしてそれで介護の現場が良くなるの?「否」だと思うんですけど。
それよりも、「きちっと日本人の介護福祉士を育成していって、かつ、その資質に見合っただけの賃金を保障するべく介護報酬もぐんと上げてゆく」っていう考えのほうが、ずっとまともだと思うんですけどねぇ。

「介護報酬を上げる」っていうと利用者負担増につながるんで、特に障害者はうるさく騒ぐかも。障害者自立支援法で翻弄されてますし。
でも、それ相応の負担をしなくっちゃ、われわれが真に望んでる介護なんか受けられっこない。
そこだけは踏まえておいてほしいと思いますし、「カネは払いたくない。でも、たっぷり介護してほしい。」なんてのは通らないと思います。
もちろん、「“広く・浅く、一般の国民にも負担してもらう”ってことがおろそかになってる結果、障害者や高齢者への自己負担が集中してる」ってことを国が猛省し、絶対にあらためてゆかなくっちゃならない。ただ、だからと言って障害者や高齢者などの当事者自身が何も負担しないでいいのか、っていうと、やっぱり「それは通らない」って思います。

いずれにしても、法改正の裏側には、介護現場の実態や本人負担のあり方を巡る深刻な問題が。
一般の国民はこういうことには無関心な人が多いんでしょうけど、せめて野党(特に某党の小沢党首。全然空気が読めてないんで、ありゃダメだし、無責任過ぎ!)とかは、与党との政争に明け暮れてばっかしじゃなくって、きちっと問題を掘り下げてほしいです‥‥。

【PDF】
改正社会福祉士・介護福祉士法の詳細

【リンク】
改正社会福祉士・介護福祉士法
http://www.jascsw.jp/2007_kokkai_houkaisei/index.html
日比経済連携協定に基づくフィリピン人介護福祉士・看護師の受け入れ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/other07/index.html
日・インドネシア経済連携協定に基づくインドネシア人介護福祉士・看護師の受け入れ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/other22/index.html

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2007/10/25

障害者の社会参加促進等に関する国際比較調査

内閣府10月23日、日本・アメリカ・ドイツの3か国で実施した「障害者の社会参加促進等に関する国際比較調査」の結果を発表しました。
調査は今年の2~3月に20歳以上の男女を対象に行なわれ(日本は面接、アメリカ・ドイツは電話で実施)、いずれも1,000人を超える回答を得ています。

特に注目すべき回答結果は、次のとおり。
国民性の違いもあるのでしょうけれども、それにしても、わが国の「障害者に対する理解不足」は目をおおうばかりのような気がします。
この結果は、国際的にも、非常に恥ずかしいことではないでしょうか?
また、日本は「健常者」「障害者」を明確に線引きして区別し、学校や職場などでは両者の交流が非常に乏しい社会環境となってしまっていますが、そのことこそが、障害者に対する理解不足や偏見・差別を生んでいるような気がしてしかたありません。

「すぐそばに障害者がいることは、あたりまえなことである」というわが国を築くためにも、障害者自身がもっともっと声をあげ続けてゆく必要があると思いますし、国の障害者施策もさらなる改革が求められるでしょう。
5年後、10年後に類似の調査が行なわれると思いますが、そのときの結果はどのように変化しているのでしょうか。

■ 障害のある人は、障害のない人と比べて「同じような生活」を送っているだろうか?

日本
  そう思う  18.8%
  思わない  74.8%
アメリカ
  そう思う  53.7%
  思わない  45.4%
ドイツ
  そう思う  81.9%
  思わない  16.4% 

■ 障害のある人に対して、障害者だと意識せずに接しているだろうか?

日本
  意識せずに接している  36.3%
  意識して接してしまう  60.7%
アメリカ・ドイツ
  意識せずに接している  両国とも約90%

■ 企業や飲食店などが「障害者への合理的配慮」(例:階段をスロープに改修する)を行なわないことは、障害者への差別にあたるだろうか?

日本
  差別にあたると思う  42.0%
  差別だとは思わない  44.6%
アメリカ
  差別にあたると思う  70.0%
  差別だとは思わない  28.5%
ドイツ
  差別にあたると思う  64.8%
  差別だとは思わない  32.5%

【ダウンロード】
 [PDF]平成18年度 障害者の社会参加促進等に関する国際比較調査(報告書)

【ダウンロードの手順(Windowsの場合)】
 Internet Explorer 6 を使っている場合は、次のとおりです。
 なお、「名前をつけて保存」するときのファイル名は、自動的に付きます。
   1.リンク([PDF])の上をマウスで右クリック(マウスの右ボタンを使う)
   2.コンテキストメニュー(右クリックしたときのメニュー)が現われる
   3.「対象をファイルに保存」を選択
   4.「ファイルのダウンロード」で「名前をつけて保存」を行なう

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2007/10/15

低所得者年金加算─厚労相が賛意

先日の当ブログの記事「障害福祉施策と財源」で「低所得者年金加算」について言及したが、10月13日付けの毎日新聞朝刊によると、舛添厚労相は10月12日、衆議院決算行政監視委員会で公明党福島豊氏の質問に答え、「大変貴重な提案。政府・与党でしっかり協議をした上で検討したい」と、制度の導入に向けた検討を行なう考えを公式に明らかにした。

現在、公明党が、自民党との政権合意事項である「低年金の防止」に向けて、低所得者の基礎年金(老齢基礎年金)を満額で月83,000円とする試案を作成しているそうだ。
低所得者年金加算制度はこの試案を踏まえたもので、年収160万円未満の単身受給者(配偶者や扶養家族などがいない受給者)の受給額を約25%上乗せしようというもの。

舛添厚労相はこの内容を踏まえ、5,000~9,000億円にものぼる追加財源が必要だ、との試算も明らかにした。
今後、消費税率を上げて社会保障目的税化する可能性も含め、財源確保のための方法を探ってゆくことになる。

公明党には、1999年4月~9月の「地域振興券」を導入させた前歴がある。いわゆる「国主導の商品券のばらまき」として悪名高かったアレだ。
「地域振興券」は福祉目的の施策として、年金受給者や福祉施設入所者、生活保護世帯、中学生までの子どもを持つ世帯などを対象に発行された。実は、公明党が与党に加わるきっかけを作った、という裏もある。
しかし、その効果ははなはだ疑問で、国の財源を著しく圧迫し、また、福祉関係者にもすこぶる評判が悪かった。

公明党は「福祉の党」を標榜しており、今回の「低所得者年金加算」も公明党のそういった方針の一環であろうが、とんでもない「ばらまき」ではなかろうか?
それとともに、公明党が言う「福祉の党」ぶりがいかにうさん臭いものであるか、ということも露呈させていると思う。

地域振興券にしても低所得者年金加算にしても、財源の問題を棚上げにして実行に移すことは、結局、そのツケを国民に廻してしまうことになる。
つまり、それは、決して「真の福祉」はつながってゆかないのだ。
公明党も、そして自民党も、そのことを理解しているのだろうか?

こういうバカな加算制度は、絶対に導入してほしくない。
それよりも、社会保障目的税の導入や社会保険庁の大改革と合わせ、年金受給額全体の底上げ(できれば、特に障害基礎年金)を断行してほしい。

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2007/10/12

障害福祉施策と財源

10月8日付けの読売新聞によると、政府・与党は、年収160万未満の低所得者層を主な対象に「老齢基礎年金の加算制度」を導入してゆく検討を始めたそうだ。
この加算制度は、現行の老齢基礎年金を約66,000円/月から約83,000円へと、約25%アップさせるもの。
合わせて、低所得者層に限定し、「障害基礎年金(2級)も約66,000円/月から約83,000円(1級相当)に引き上げる」という。

基礎年金の財源は、国民ひとりひとりが支払っている国民年金保険料(厚生年金保険料なども含む)と、国庫負担から成っている。
現在、国庫負担の割合は3分の1(国民年金保険料の全額免除を受けた人が受け取れる年金額が3分の1になってしまう、というのはこれが根拠。)だが、法改正により、2009年度までに2分の1に引き上げなければならないことになっている。
このため、加算制度の導入は、この引き上げと合わせての実施をめざしているという。

加算制度の導入に必要な財源は、税金で賄う方針。
だが、試算によれば、約5,000~9,000億円にものぼるそうだ。
基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引き上げと合わせると、数兆円~数10兆円もの財源を新たに確保しなければならない。
いったいどこにそんな財源があるというのか?

現在の税制の中でのやりくりは、どう考えてもできるはずがない。
消費税の税率を倍にし、福祉目的税化して使途を社会保障に限定するか‥‥。
あるいは、20歳から介護保険に強制加入させてその保険料の一部を充てるなどか‥‥。
財源を確保するための具体的な方法が明確にされなければ、上記の施策が実行に移されたあと、ツケは必ず国民に回ってくる。
障害基礎年金の増額などは、一見障害者にとってメリットがあるように映る。
が、決してだまされてはいけない。

ただ、舛添厚労相は10月8日、記者団の質問に対して「このような検討の事実はない」と否定している。
読売新聞のスクープか、あるいはガセネタなのか?
真相は闇の中であるが、いずれにしても、基礎年金の国庫負担割合の引き上げは既に決まっており、国が現在以上に財源の確保に苦慮するのは必至だ。

一方、政府・与党は、民主党が国会に提出した障害者自立支援法改正案に同調する形で、障害者自立支援法による原則1割負担を当面見直す方向だという。
しかし、福田首相は自民党総裁選の公約で障害者自立支援法の抜本的な見直しを約束したが、この度の国会の施政方針演説では一言も触れていない。
いったいどのように見直そうというのだろうか?

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障害者自立支援法及び児童福祉法の一部を改正する法律案 要綱(民主党案)


第1 障害者自立支援法の一部改正(第1条関係)

 1 障害者等が障害福祉サービスを受けたときに要する費用に係る自己負担の額については、その経済的負担の軽減を図るため、当分の間、現行の1割負担を凍結し、障害者等又はその扶養義務者のうち政令で定めるものの負担能力に応じたものとすること。
 2 国及び地方公共団体は、当分の間、障害福祉サービスの円滑な提供の確保を図るため必要があると認めるときは、指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設の設置者に対し、財政上及び金融上の支援を行うものとすること。

第2 児童福祉法の一部改正(第2条関係)

 1 障害児が障害児施設支援を受けたときに要する費用に係る自己負担の額については、その経済的負担の軽減を図るため、当分の間、現行の1割負担を凍結し、障害児又はその扶養義務者のうち政令で定めるものの負担能力に応じたものとすること。
 2 国及び地方公共団体は、当分の間、障害児施設支援の円滑な提供の確保を図るため必要があると認めるときは、指定知的障害児施設等の設置者に対し、財政上及び金融上の支援を行うものとすること。

第3 その他(附則関係)

 1 この法律は、平成19年4月1日から施行するものとすること。
 2 所要の経過措置を定めるものとすること。

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民主党案にも、重大な問題点がある。
「原則1割負担を凍結し、措置制度や支援費制度のときと同様の応能負担(負担能力に応じた費用負担)に戻す」というのが法案の趣旨だが、その分だけ歳入が減ることになる。
減った分の財源が確保できなければ、あっという間に破綻するはずだ。
そもそも、財源の確保がままならなかったからこそ支援費制度がたった数年で破綻し、障害者自立支援法が導入されたのではなかったのか?
ならば、支援費制度と同様のしくみに戻すことは、全く意味がないのではなかろうか?

基礎年金の加算制度にしても、障害者自立支援法にしても、一見、障害者にとっては「おいしい」話題だろう。
しかし、しつこいくらい言ってしまうが、決して、目先のエサにだまされてはいけない。

「いったいどこから財源を持ってくるのか?」ということが明確にされていない以上、一時しのぎの政策に過ぎない。
したがって、定率減税の廃止による税負担アップと同様のツケが、いずれ私たちに跳ね返ってくる。
「安物買いの銭失い」とはよく言ったものだ。
だからこそ、障害者は、「政策を見きわめる目」と「政府・与党への発言力」をより養わなければならない。

「安ければ飛びつく」というのは考え物だ。
障害者であっても負担すべきものはきちんと負担し、そのことによって、堂々と不満を口にしていったらよいのではないか?
負担するべきものを負担しないでよいようになるから、負い目や後ろめたさで物が言えなくなってしまう。
そういった面もあるのではなかろうか。

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2007/09/29

障害者の権利条約

政府は9月28日の閣議で、国連の「障害のある人の権利に関する条約(障害者の権利条約)」に署名することを決定し、訪米中の高村正彦外相が直ちに、ニューヨークの国連本部で署名を行ないました。

「障害者の権利条約」は、障害者を対象にした初の国際条約で、2006年12月の国連総会で採択されました。
同条約は全50条から成るもので、障害者の市民的権利や政治的権利の保障、教育を受ける権利の保障、労働・雇用の権利の保障‥‥などをうたい、障害に基づく差別を禁止しています。
また、障害者の教育や就職に際して過度な負担がかからないような「合理的配慮」を行なうよう、学校や事業主に義務づけるとともに、それらを含めた諸政策の実施を監視するための公的監視機関の設置義務も盛り込まれています。

条約は20か国が「批准」(国家が、条約に拘束されることに対する正式な同意を表明するための方法の1つ。条約への署名を行なった後、その内容に対する国会の同意を得て、批准書を寄託する。)した時点で発効します。
ところが、9月28日までに批准したのはわずか5か国。国際的な議論を高めることが強く望まれます。

「批准」にこぎつけるまでには、さまざまな国内法をより整備してゆくことも不可欠で、もちろん、わが国も例外ではありません。
たとえば、学校教育においては、障害を持つ児童を障害児学級や養護学校(特別支援学校)に入れるなどの「分離教育」が続けられてきましたが、より「インテグレーション(統合教育)」を推進するなどの制度転換が強く求められます。
一方、現行の「障害者基本法」においては、一応「障害者への差別禁止」がうたわれているものの、差別を受けた障害者に対する救済措置が何ら規定されていません。
したがって、「障害者基本法」の全面的見直しも不可欠になってきます。
ほんとうの意味で障害者の権利が守られるように、早急に国内法を整備し、一日でも早く「障害者の権利条約」が「批准」されることを願ってやみません。

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障害者権利条約に日本署名 国連で高村外相

高村外相は28日午後(日本時間29日未明)、国連本部で障害者への差別撤廃と社会参加の促進を求める人権条約「障害者の権利条約」に署名した。
同条約の最初の署名式は今年3月に行われ、80カ国以上が署名したが、日本政府は「国内法の整備が整っていない」として見送った経緯がある。

日本は外務省や法務省、警察庁など9省庁で構成する「障害者権利条約にかかわる対応推進チーム」をすでに発足させている。
今後、同チームを中心に、関連する法律の改正などを検討し、早期の締結(批准)をめざす考えだ。

同条約は、締約国に対し、交通、教育、雇用などの面で障害者の立場改善のための立法・行政措置を要求。障害者を差別する国内法や慣習の廃止を義務づけている。
06年12月の国連総会で全会一致で採択された。

条約に署名済みの国は9月27日時点で、113カ国と欧州共同体(EC)。
必要な法整備をして条約を締結している国はクロアチアやキューバなど5カ国。
条約が発効するには、20カ国以上の締結が必要となる。

(2007年9月29日 asahi.com ─ 朝日新聞)

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2007/07/17

政見放送に字幕を

全国の聴覚障害者団体で構成される「社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会」は7月13日、参議院議員選挙の政見放送への字幕や手話を求める要望書を、菅義偉総務相と各政党に郵送しました。

現在、政見放送の一部に手話が付けられていますが、字幕は付けられておらず、候補者の訴えがよくわからないため、選挙に参加したくてもできない聴覚障害者が少なくありません。
要望書は、法律によって政見放送などに手話や字幕を付けることを義務づけてほしい、と求めています。

総務省選挙部管理課によると、「公職選挙法などに基づいて字幕を付けるためには言葉を要約する必要があり、公平性が保たれるかどうかという問題点などがあるため、現在は用いられていません。」とのことです。
しかし、「あらかじめ政見放送で話される内容を字幕化して、政党や候補者が用意するべし」などと法律によって義務づければ、私としては、十分実現可能だと思うのですが‥‥。

民主党では、希望者に政見放送の内容を記したテキストメールを配布しています。
希望者は prc@dpj.or.jp まで連絡してみて下さい。
また、民主党では以下のとおり、テレビ番組への字幕の付加を普及するための法案を準備しています。

○ テレビ番組の字幕普及促進のための放送法等の一部を改正する法律案(概要)
 http://www.dpj.or.jp/seisaku/joho/BOX_JH0008.html

○ 聴覚障害者の利便の増進に資する字幕放送番組の提供の促進のための放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案(要綱)
 http://www.dpj.or.jp/seisaku/joho/BOX_JH0007.html

参考までに、公職選挙法などでどのように政見放送の基準が定められているのか、聴覚障害者の情報保障にかかわる部分のみ、以下にその抄を記しておきたいと思います。
(注:聴覚障害者の情報保障にかかわる部分については、特に、私が下線を付してあります。)

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■ 公職選挙法 (昭和25年法律 第100号)

第150条(政見放送)

 衆議院(小選挙区選出)議員の選挙においては、候補者届出政党は、政令の定めるところにより、選挙運動の期間中、日本放送協会及び一般放送事業者のラジオ放送又はテレビジョン放送(放送法(昭和25年法律第132号)2条2号の3に規定する中波放送又は同条2号の5に規定するテレビジョン放送をいう。以下同じ。)の放送設備により、公益のためその政見(当該候補者届出政党が届け出た候補者の紹介を含む。以下、この項において同じ。)を無料で放送することができる。この場合において、日本放送協会及び一般放送事業者は、その録音し若しくは録画した政見又は候補者届出政党が録音し若しくは録画した政見をそのまま放送しなければならない。

 候補者届出政党は、政令で定めるところにより、政令で定める額の範囲以内で、前項の政見の放送のための録音又は録画を無料ですることができる。

 衆議院(比例代表選出)議員、参議院議員又は都道府県知事の選挙においては、当該公職の候補者(衆議院比例代表選出議員の選挙にあっては衆議院名簿届出政党等、参議院比例代表選出議員の選挙にあっては参議院名簿届出政党等。第5項に同じ。)は、政令で定めるところにより、選挙運動の期間中、日本放送協会及び一般放送事業者のラジオ放送又はテレビジョン放送の放送設備により、公益のため、その政見(衆議院比例代表選出議員の選挙にあっては衆議院名簿登載者、参議院比例代表選出議員の選挙にあっては参議院名簿登載者の紹介を含む。以下この項において同じ。)を無料で放送することができる。この場合において、日本放送協会及び一般放送事業者は、その政見を録音し又は録画し、これをそのまま放送しなければならない。

 第1項の放送に関しては、当該都道府県における届出候補者を有するすべての候補者届出政党に対して、同一放送設備を使用し、当該都道府県における当該候補者届出政党の届出候補者の数(12人を超える場合においては、12人とする。)に応じて政令で定める時間数を与える等同等の利便を提供しなければならない。

 第3項の放送に関しては、それぞれの選挙ごとに当該選挙区(選挙区がないときは、その区域)のすべての公職の候補者に対して、同一放送設備を使用し、同一時間数(衆議院比例代表選出議員の選挙にあっては当該選挙区における当該衆議院名簿届出政党等の衆議院名簿登載者の数、参議院比例代表選出議員の選挙にあっては参議院名簿登載者の数に応じて政令で定める時間数)を与える等同等の利便を提供しなければならない。

 前各項の放送の回数、日時その他の放送に関し必要な事項は、総務大臣が日本放送協会及び一般放送事業者と協議の上、定める。この場合において、衆議院(比例代表選出)議員の選挙における衆議院名簿届出政党等又は参議院(比例代表選出)議員の選挙における参議院名簿届出政党等の放送に関しては、その利便の提供について、特別の考慮が加えられなければならない。

第143条第2項(文書図画の掲示) 抄

 選挙運動のために、アドバルーン、ネオン・サイン又は電光による表示、スライドその他の方法による映写等の類を掲示する行為は、前項の禁止行為に該当するものとみなす。

第197条の2(実費弁償及び報酬の額) 抄

 衆議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙においては、選挙運動に従事する者(選挙運動のために使用する事務員、専ら第141条第1項の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上における選挙運動のために使用する者及び専ら手話通訳のために使用する者に限る。)については、前項の規定による実費弁償のほか、当該選挙につき第86条第1項から第3項まで若しくは第8項、第86条の3第1項若しくは同条第2項において準用する第86条の2第9項前段又は第86条の4第1項、第2項、第5項、第6項若しくは第8項の規定による届出のあった日からその選挙の期日の前日までの間に限り、公職の候補者1人について1日50人を超えない範囲で各選挙ごとに政令で定める員数の範囲以内において、1人1日につき政令で定める基準に従い当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院比例代表選出議員の選挙については、中央選挙管理会)が定める額の報酬を支給することができる。

 衆議院(小選挙区選出)議員の選挙においては、候補者届出政党は、当該候補者届出政党が行う選挙運動に従事する者(当該候補者届出政党が行う選挙運動のために使用する事務員、専ら第141条第2項の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上における選挙運動のために使用する者及び専ら手話通訳のために使用する者に限る。)に対し、当該選挙につき第86条第1項又は第8項の規定による届出のあった日からその選挙の期日の前日までの間に限り、1人1日につき政令で定める額の報酬を支給することができる。

 衆議院(比例代表選出)議員の選挙においては、衆議院名簿届出政党等は、当該衆議院名簿届出政党等が行う選挙運動に従事する者(当該衆議院名簿届出政党等が行う選挙運動のために使用する事務員、専ら第141条第3項の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上における選挙運動のために使用する者及び専ら手話通訳のために使用する者に限る。)に対し、当該選挙につき第86条の2第1項の規定による届出のあった日からその選挙の期日の前日までの間に限り、1人1日につき政令で定める額の報酬を支給することができる。

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■ 公職選挙法施行令 (昭和25年政令 第89号)

第111条の4(政見放送) 抄

 衆議院小選挙区選出議員の選挙においては、候補者届出政党は、日本放送協会及び都道府県ごとに総務大臣が定める一般放送事業者(次条第2項及び第3項において単に「一般放送事業者」という。)の放送設備により、その政見(当該候補者届出政党が届け出た候補者の紹介を含む。)を放送することができる。

 衆議院比例代表選出議員の選挙においては、衆議院名簿届出政党等は、日本放送協会及び選挙区ごとに総務大臣が定める一般放送事業者の放送設備により、その政見(衆議院名簿登載者の紹介を含む。)を放送することができる。

 参議院比例代表選出議員の選挙においては、参議院名簿届出政党等は、日本放送協会の放送設備により、その政見(参議院名簿登載者の紹介を含む。)を放送することができる。

 参議院選挙区選出議員又はと都道府県知事の選挙においては、公職の候補者は、日本放送協会及びそれぞれの選挙における選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)ごとに総務大臣が定める一般放送事業者の放送設備により、その政見を放送することができる。

第111条の5(政見放送のための録音又は録画の公営) 抄

 法第150条第2項の規定の適用を受けようとする候補者届出政党は、録音又は録画を業とする者との間において同項の録音又は録画に関し有償契約を締結し、総務省令で定めるところにより、その旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出なければならない。

 都道府県は、候補者届出政党(前項の規定による届出をしたものに限る)が同項の契約に基づき当該契約の相手方である録音又は録画を業とする者に支払うべき金額のうち、次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める金額の合算額を、当該録音又は録画を業とする者からの請求に基づき、当該録音又は録画を業とする者に対し支払う。

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■ 政見放送及び経歴放送実施規程 (平成6年11月29日 自治省告示第165号)

第8条第3項(録音及び録画の方法) 抄

 参議院名簿届出政党等の政見の録音又は録画は、第1項各号に掲げる方式又は組合せ方式(単独方式、対談方式及び複数方式のいずれか一の方式により政見の録音又は録画を行った物を二つ組合わせて政見の録音又は録画を行う方式をいう。)に従い、日本放送協会の定めるところにより行うものとする。この場合において、当該参議院名簿届出政党等から自らが選定した手話通訳士(平成元年厚生省告示第122号の手話通訳士をいう。)1人による手話通訳士を付して政見を録画するよう申込みがあったときは、日本放送協会は、当該手話通訳士による手話通訳を付して政見を録画するものとする。

第9条(音声機能等に障害のある候補者等についての特例) 抄

 前条の政見の録音又は録画を行う場合において、次の各号の一に該当する候補者届出政党等、衆議院名簿届出政党等若しくは参議院名簿届出政党等の政見の録音若しくは録画に出席する者(以下「政党等政見録音等出席者」という。)又は候補者等は、次項、第3項又は第7項の規定によりあらかじめ提出された録音用原稿について日本放送協会又は一般放送事業者が録音した物(以下「録音物」という。)を使用することができる

 [1] 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第4条に規定する身体障害者で、同法第15条第4項の規定により交付を受けた身体障害者手帳に、音声機能若しくは言語機能の障害(以下「音声機能障害」という。)の程度が3級若しくは4級である者として記載されているもの又は音声機能等の障害の程度がこれらの障害の程度に該当することにつき身体障害者福祉法施行令(昭和25年政令第78号)第9条第1項に規定する身体障害者手帳交付台帳を備える都道府県知事若しくは指定都市若しくは中核市の長が書面により証明したもの

 [2] 戦傷病者特別援護法(昭和38年法律第168号)第2条第1項に規定する戦傷病者で、同法第4条の規定により交付を受けた戦傷病者手帳に、音声機能等の障害の程度が恩給法(大正12年法律第48号)別表第1号表ノ2の第2項症から第4項症までである者として記載されているもの又は音声機能等の障害の程度がこれらの障害の程度に該当することにつき戦傷病者特別援護法施行令(昭和38年政令第358号)第5条に規定する戦傷病者手帳交付台帳を備える都道府県知事が書面により証明したもの

第10条第1項(候補者届出政党等が自ら行う政見の録音又は録画の提出) 抄

 候補者届出政党等は、日本放送協会又は第2条第7項の規定により定められた一般放送事業者において第7条1項又は第5項の規定による政見の録音又は録画を行わない場合には、自らが録音し又は録画した政見を日本放送協会又は当該一般放送事業者に提出することができる

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